個人的な事情 3-1 私の履歴書 1

私はこれまでの人生で「何かものかになりたい」と思ったことは、ほぼ一度もない。
精神科医を目指したということもなかった。
医学部に入ったのも、医者になりたいと思ってではなかった。
元来が「人といたい」よりは「自分といたい」人間だった。
そのせいで、無意味にぼんやり過ごす時間がほとんどだった。
大学2年の教養課程にいて、3年時になると学部を選択する必要があった。
なりたいものがなかったせいもあって、学部選択を迫られる段階で行くところがないのに気がついた。
成績がよければ選択の自由が、まだしもあった。
だが成績不良の身で、たったひとつの選択肢があった。
医学部だけは選抜試験があったのである。
それをやるしかなかった。
それで何とか医学生になったのだが、ただそれだけのことだった。
そんな調子で卒業の年を向かえ、行きたい医局が見当たらなかった。
卒業をして、ある役所に入った。
役人になりたいわけではなかったが、とりあえず、ということで役人になった。
仕事をろくにしない不良役人だった。
初めから3年で辞めると内心で決めていた。
辞表を出すとき、思いがけなく慰留された。
その役所には学閥があり、数が要るからだった。
いずれにしても、決めていたとおりにする以外になかった。              ’20.2.13.

     


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